秋の旬の食材といえば「栗」ですね!栗ご飯や栗きんとん、甘露煮やスイーツなどなど、ほっこりする栗メニューが秋の訪れを感じさせてくれます。
管理人も栗は大好きで、昔はおばあちゃんが作ってくれたゆで栗が楽しみなおやつでした^^。旬の栗は栄養価もとても高いので、秋バテなど疲れた体にはピッタリの栄養が豊富に含まれているんです!
栗は淡白であっさりしているので、ついパクパク食べてしまいますが、実は栄養満点でとってもヘルシーな食材だったんです。今回は栗の栄養と効能、さらに栄養効果が期待出来る食べ方を詳しくご紹介いたします。
栗は栄養たっぷりの健康食材
栗は古く5千年以上前の縄文時代から人々の大事な食料として栽培されており、栄養も豊富で消化吸収、滋養強壮にも良かったことから貴重な栄養源として古代から食されてきました。
栗といえば天津甘栗のお菓子が有名ですが、中国北部でも昔から間食に重宝されていた食材でした。
栗はスーパーなどでも果物のコーナーだったり野菜コーナーだったり、置いてある売り場がまちまちで、野菜なのか果物なのか悩む所ですが、一般的には果物に分類されています。正式には木の実なので種実類といって、ナッツと同じ分類になります。
同じナッツ類のアーモンドやクルミなどのナッツと比べると特に脂質が少なく、成分の40%はデンプン(炭水化物)。良質な食物繊維が豊富です。
その他ビタミンや葉酸、カリウムも豊富なので、妊婦さんのおやつとしてもぴったりの健康食材なんです!どんな栄養成分が含まれているのか、詳しく見ていきましょう!
気になる栗の栄養と効能は?
東洋医学でも薬膳や漢方としても古くから親しまれて食べられてきた「栗」ですが、期待できる効能は
- 胃腸の機能の回復・便秘改善
- 腎機能の衰えによる腰痛の改善
- 体を温め、血の巡りを良くする
- 疲労回復・免疫力アップ
- 肌の調子を良くする、老化防止
- 貧血予防
などがあります。日本産の栗の旬は9月〜10月ですので、季節の変わり目、秋バテなんて言葉も近年聞きますが、夏に消耗した体力や疲れの回復にも、もってこいの食材です。
【栗の栄養価表(日本産の生栗)100gあたり】
エネルギー 164kcal | 鉄 0.8mg |
タンパク質 2.8g | 亜鉛 0.5mg |
脂質 0.5g | 銅 0.32mg |
炭水化物 36.9g | βカロテン 24μg |
食物繊維 4.2g | ビタミンB1 0.21mg |
カリウム 420mg | ビタミンB6 0.27mg |
カルシウム 23mg | 葉酸 74μg |
マグネシウム 40mg | ビタミンC 33mg |
文部科学省日本食品標準成分表【七訂】より
便秘や胃腸が弱っている時の栄養補給にも
栗の主成分である炭水化物のデンプンは他の穀類と比べて粒子が細かく、良質な食物繊維を含んでいるので、消化がよく胃腸にやさしく、便秘などにも効果があります。
お子さんやご高齢の方は特に、お腹を下してしまったときなど、ゆで栗を潰しておかゆに混ぜて食べると栄養価もグッと上がります。
ただ、食物繊維は水に溶けにくい不溶性食物繊維を多く含んでいるので、食べ過ぎるとガスや消化不良の原因にもなってしまいますので、食べる量は程々に。
大体目安は1日に10粒(100g)程度です。
むくみに改善にも効果的なカリウムが豊富
カリウムは生命活動に必須なミネラルで、むくみ改善の他にも
- 余分な塩分を排出
- 体内の水分のバランス調節
- 筋肉の働きをよくする
- 高血圧・動脈硬化予防
などの働きをしてくれます。
夏に沢山汗をかいてカリウム不足気味になっている秋の体には嬉しい栄養素ですね。
体に必須のマグネシウムも
マグネシウムは疲労回復や脂肪の燃焼の他にも
- ホルモンバランスを整える
- 筋肉や血液の働きを良くする
- カルシウムと一緒に摂ることで骨を強化
- インスリンの分泌を促す
などの効果があります。
マグネシウムは油断していると不足しがちなミネラル。足りなくなると太りやすくなる、イライラする、むくみや高血圧などの原因に!
カルシウムと一緒に摂ると鎮静作用があるので、女性の方は月経前の気分の落ち込や、お子さんにはそわそわと集中力がなくて落ち着きがない時など、カルシウム+マグネシウムの摂取が効果的です。
今日の献立は、栗ご飯と、骨まで食べられるお魚などの組み合わせなんていかがでしょうか。
鉄分や亜鉛で貧血予防や免疫力アップにも
今や成人女性の3人に1人が貧血と言われており、現代人における鉄分の不足は申告です。鉄分が不足すると貧血の他にも運動機能の低下や免疫力や体温の低下にもなってしまうそうですので、要注意ですよ!
さらには成長期のお子さんや妊婦さんも普段より鉄分が多く必要になり、鉄分が不足すると集中力の低下やイライラの原因にもなってしまうので、気をつけてください。
栗は貧血に効果がある鉄を始め、血液を作るのを助ける働きがある銅、味覚の正常化や、細胞の老化防止に効果がある亜鉛も含まれています。
ビタミン類も豊富!
栗には6粒食べるだけで一日分のビタミンCが摂れてしまいます。ビタミンCはご存知の通りお肌を整えるなどの美容にも欠かせない栄養素で、疲労回復や、免疫力のアップも効果があります。
さらに鉄分の吸収を良くする働きがあるので、貧血予防にも。
ビタミンCは水に溶けやすく、熱によっても失われやすいミネラルですが、この栗のビタミンCはデンプン質でガードされているので、茹でるなどして加熱しても栄養はそのままで食べることができます。
ビタミンAに変わるβカロテンは皮膚や粘膜、視覚の維持に効果があり、ビタミンB1は疲労回復、代謝を良くするビタミンB6も含まれています。
葉酸は造血作用も
葉酸はビタミンB群の一種で、DNAの合成や細胞分裂を助けたり血液を作る働きをするので、妊婦さんには特に必須な栄養素ですが、こちらも豊富に含まれています。
妊娠時には480μgの摂取が推奨されています(非妊娠時は240μg)が、100gの栗には約74μgの葉酸が含まれています。
栗の葉っぱ皮膚病にも効く?
漢方でも皮や葉、木の幹の皮まで使われているほど色々体に良い成分が含まれている栗。
栗の葉っぱには消炎作用があり、かぶれや湿疹、じんま疹などの皮膚病に効果があるそうです。葉を濃く煎じて数回患部を洗うか、布などに漬けて湿布をする、又は煎じた汁をお風呂に入れて入ると効果的です。
また葉を煎じたものを飲むと咳止めにもなるそうです。
鬼皮といって、栗の外側の固い部分の殻を煎じたものには止血作用もあるそう。
現代では医学が発達したので、あまりこのように自然の素材で患部を治療することは中々ありませんが、知っておくといざという時に役立ちそうですね。
昔の人はこうした自然の力を借りて怪我や不調を直していたんだと思うと恐れ入ります。
栗の栄養が沢山取れる食べ方はあるの?
寝かせると糖度が4倍に?
採れたての栗より、0〜2℃くらいの冷蔵庫で4日から2週間ほど寝かせると糖度が2倍から3倍ほど甘くなります。
なんでも寒くなると栗は冬が来たと勘違いし、エネルギー源となる糖分の元になる、アミラーゼ酵素を大量に発生させるからなんだとか。
デンプン分が多い栗は3%塩水に付けると沈み、ホクホクで美味しいそうですよ。
作り方は水でよく洗い、水に数時間から半日程度置いておき、よく拭いてから新聞紙やキッチンペーパーでくるみ、ジップロックなどの袋に入れて冷蔵庫に入れます。
これであとは甘くなるのをひたすら待てばOK!
生食で食べる
東洋医学ではお年寄りの方など腎機能が低下して、足腰が弱くなってくると、1日1個から2個、朝晩に生栗を細かく砕いて食べると良いと言われています。
生栗を食べるというのは日本だとあまり馴染みがないですが、少量だったら食べても問題ないようです。
食感は少し歯ごたえがあり、加熱した時よりは甘みは控えめです。
加熱する
栗の糖度は加熱によってアミラーゼという酵素が活性化し、デンプンを糖分に変える働きが活発になります。
アミラーゼが働くのは40℃から70℃までなので、沸騰したお湯で茹でるよりも、土鍋で蒸すと甘栗のような糖度になるそうです!
作り方は至って簡単で、
1,土鍋に蒸し皿を入れて水を入れ、湯気が出たら栗を入れて火を止め、10分蒸らす。
2,後は中火で50分程蒸すと出来上がり。
土鍋がないときは普通のステンレスなどの蒸し器でも沸騰する前から栗を入れて中火で蒸すと甘くなります。
渋皮も食べたほうが栄養満点?
栗の渋皮にはタンニンというポリフェノールの一種が多く含まれており、活性酸素を除去する働きがあり、老化防止にいいといわれています。
栗の渋皮煮なや、渋皮付のマロングラッセなど、あえてつけたまま食べた方が、いいようです。
ただタンニンは鉄分の吸収を妨げてしまうので、貧血気味の方は摂りすぎないように気をつけておきたいですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。栗は少量でも栄養たっぷりで、旬の時期には積極的にとって体の調子を整えていきたいですね!
食べ過ぎには注意して、秋の美味しい味覚を存分に堪能してください!
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